終戦後1年目に、飲み物だけを扱う"純喫茶"としてはじまり、金沢で最も古くからある喫茶として56年目を迎えた。今ではスタンドコーナーが隣接し、食事もできるようになっている。レトロな店構えの面白さと繁華街の近くという場所柄も手伝って、待ち合わせ場所としてもよく使われる。

戦争中に強制疎開・入院などで戦火を逃れた店主夫婦は、たまたま空き家になっていた喫茶店跡に住むこととなる。数年後に隣人の方々からの勧めもあって、明かりもなく土間のままだった喫茶店跡を改装し、赤ん坊を片手に母と二人で喫茶をはじめることとなった。
  当時、市工・金大・美大生を中心に学生が多く集まっていたこともあり、音楽レコードを流してコンサートを開くなどイベントを催したこともあった。
開店50周年の祝いを学生達が本を作って祝うなど、いつまでも変わらぬこの店を懐かしみ、変わらないことを喜ぶファンは多い。そういったお客様がいるかぎり現状を維持したいそう。

店主自身も、この店で働きながら子供達を育てたということもあり、様々な思い出と共に店がある。また、何十年も勤めるベテランのスタッフも多く、人に恵まれたおかげで長年喫茶を続けることができているのだという。
 
 
 
 

餡は北海道産の大納言小豆を朝から一日かけて、七輪を使い炭火で炊いているそう。母から教わった炊き方で、必要な量だけをゆったりした気持ちでつくり続ける。添加物は使わず、寒天には細い糸寒天を使うなど、材料も味も共に吟味されている。餡や寒天、フルーツをふんだんに使用しているあんみつは、昔から変わらない懐しさのある味。

チーズケーキやババロアなどのケーキも手作りで、セットになる珈琲もスタッフこだわりのブレンドで焙煎されている。昔ながらの味わいを懐かしんでやってくるお客様もいるが、今の世代には逆に新鮮にうつることも。これまでのメニューの他にも、アイディアが生まれれば新たにメニューに加えることも考えているそう。

 
 
「今まで続けてきたものを、維持していきたいと思います。若い方にも、レトロな雰囲気を楽しみに来ていただきたいです。」(店主:松田さん談)

趣味で絵を描いているという店主のセンスがあらわれているのか、内装や調度品なども見どころが多く楽しめる。
 
 
  ■純喫茶 ぼたん
金沢市片町2-24-1
TEL/076-231-0644
年中無休
営業時間:喫茶7:30〜23:00
     スタンドコーナー
     7:00〜20:00